大寧護国禅寺

正當六百回 大遠忌法要大寧寺御開山 石 屋 真 梁せきおくしんりょう 禅師

大遠忌 令和五年五月十日、十一日
石屋真梁禅師
石屋真梁禅師

大遠忌法要 令和五年五月一〇日(水)、十一日(木)

地域の護国の寺として建立された当山は、間もなく御開山六百回大遠忌の時を迎えようとしています。
仏教寺院では一般にその寺院の初代住職を「御開山さま」と敬称して特別な思いを込めて尊崇する習わしですが、 大寧寺の御開山さまは石屋真梁せきおくしんりょう禅師と申され、1345年、鹿児島県の伊集院において生を享けられ、 応永30(1423)年5月11日、兵庫県の丹波の永沢ようたく寺で七九歳の生涯を閉じられた当時曹洞宗きっての高僧です。 その間、長門北浦の深川城において覇を唱えていた大内氏の支族鷲頭わしのうず弘忠卿の嘱をうけて大寧寺の開創に尽力され、その後、禅師の弟子たちによって大寧寺は一大発展をとげることになったのです。
よって、禅師没後六百年の大遠忌正当の年が来る令和5(2023)年の初夏に訪れます。
先年皆様のご支援を得て大寧寺開創六〇〇年記念法要(2010年)という大事業を無事円成することができましたので、大寧寺の伽藍や境内は今しっかり整備されておりこの度は大きな作業を企画する必要はないものと考えておりますが、 若干の環境整備と悪疫退散の決意を示す報恩法要を厳修して護国の寺の真心を広く世にしろ示す決意でございます。
前日(5月10日)、稚児行列等の行事を予定しておりますので、是非ご参加をお願いします。
※「因戒(因縁血脈)申込書」と「稚児行列参加願」は、お気軽に大寧寺までお問い合わせください。

大遠忌法要の概要


今回の法要は二日間にわたって行われ、その内容は次のとおりです。

前晩ぜんばん行事

戒弟かいてい受付
 五月一〇日(水)午後二時より 法要参加者(「戒弟」かいていと呼びます。)の受付を本堂入り口の帳場で行います。
 ここで参加費(「戒金」かいきんと呼びます。)を一人当たり三万円支払って、係のお坊さんの指示に従ってください。
 この「戒金」には、お寺へのお布施、血脈代、経本代、おせがき料、ご先祖様の供養料、記念品料、お弁当代、などが含まれています。
迎真諷経ごうしんふぎん
 続いて午後三時から、大寧寺の本堂に仏さまたち(諸仏、諸菩薩)をお迎えする儀式が始まります。
◎御開山大遠忌逮夜諷経だいおんきたいやふぎん
 続いて三時三〇分から、御開山さま、歴住の大和尚さまに対してご供養する逮夜法要が営まれます。
稚児行列諷経ちごぎょうれつふぎん
 四時頃から可愛いお稚児さんたちによる稚児行列が始まり、四時三〇分ごろに本堂に到着し、洒水灌頂しゃすいかんちょうによって祝福を受けたのち、
 お坊さんたちや付き添いの御父兄と一緒に行道を行います。
 ちいさなお子様たちの未来の成長や身体健全、学業円成、交通安全を祈願します。
 そのあと関係者一同で記念写真を撮ります。

以上で第一日目の行事が終わります。
翌十一日は大遠忌の本番の日です。行事は次のようなながれで進みます。

正当しょうとう行事

献粥諷経けんしゅくふぎん
午前六時より、朝課に引き続いて開山忌献粥諷経が営まれます仏さまや御開山さまに朝のお食事を差し上げる法要です。
この法要はお坊さんたちだけで行います。
壱岐歎佛いきたんぶつ
 午前九時より、因脈授戒会の啓建法要けいけんほうようとして長崎県壱岐市のご寺院方による「壱岐歎佛」が奉納されます。
 これは大変珍しい法要なので是非大勢の方々にみていただきたいと思っています。
◎ 御開山六百回大遠忌正当諷経だいおんきしょうとうふぎん
 午前十時打ち出しで荘厳な大法要が営まれます。
 曹洞宗の法供養の中では最も鄭重な儀式であり、焼香導師は、御開山さまとの法縁につながる、群馬県みなかみ町の
 泰寧寺たいねいじ住職 山岸弘文やまぎしこうぶん老師がお勤めになります。読経中、参列者全員が心を込めた焼香を行います。
◎ 檀信徒総回向
 引き続き檀信徒の総回向を行います。
午時飯台ごじはんだい
 ここで午前中の日程が終了し、戒弟の皆さまは、お弁当をいただいて午後の因脈会いんみゃくえ行事に備えます。
 参拝のみの方々は記念品等を受け取り帰宅されます。
◎ 戒弟説明と礼佛説戒らいぶつせつかい
 午後一時から因脈会の日程に入ります。戒弟の皆さんはお役のお坊さんの指示に従い、仏教徒としての正しい行いや、
 お釈迦さまから脈々と受け継がれてきた正伝の仏法について老師の説話を聴聞します。
因脈授与いんみゃくじゅよ
 これらの行を終えたのち、修行の終了証として一人ひとり大寧寺の住職から「お血脈けちみゃく」を頂戴します。
 血脈とは、お釈迦さまから歴代祖師を経て大寧寺住職に伝えられた法の功徳を証明するものです。
 大寧寺住職としては、長年交流の続いた檀信徒の皆さまや末寺の関係者の皆さまにたいして生涯最後のご挨拶をし、深い感謝の気持ちを伝えることが、この度の因脈会の大切な趣旨なのです。
◎ 説教・送聖諷経そうしょうふぎん
 午後三時半、いよいよフィナーレの儀式となりました。最後のご挨拶をし、道場から諸仏・諸菩薩さまを鄭重にお送りして二日間にわたる法要をとじます。
 戒弟の皆さまは記念の品々を受け取り、明日からの生活にむかってすがすがしい気持ちで家路につかれることでしょう。

以上が大遠忌法要の概要です。
お檀家の皆さま、墓檀家の皆さま、信者の皆さま、大寧寺と法縁のつながる善男子・善女子の皆さま、
どうかお誘い合わせて大寧寺の六百回大遠忌法要にお参りくださいますようお勧め申し上げます。
※「因戒(因縁血脈)申込書」と「稚児行列参加願」は、お気軽に大寧寺までお問い合わせください。


壱岐歎佛いきたんぶつについて

 法要の道場に大勢の仏さまたちをお招きする儀式を「歎佛たんぶつ」と言います。
 緩やかに声を引いて諸仏・諸菩薩の尊号を集まった僧侶たちが一斉に唱えるものです。
 普通に行われるのは仏さまのお名前を日本語で唱える「和歎佛」ですが、大寧寺の古い末寺が展開している壱岐の島には
 音楽性のレベルが非常に高い独特な「壱岐歎佛」の伝統が残っているのです。
 日本語で佛名を唱える「和歎佛わたんぶつ」と、唐音(中国語)で唱える「唐歎佛とうたんぶつ」が混在して不思議な雰囲気を醸し出ます。
 日本全国をみわたしても壱岐にしか残っておらず、無形文化財に指定されている軽快な宗教音楽です。
 この「壱岐歎佛」を聞くだけでも一日授戒に参加する価値が十分あると思います。